人
はじめに
昔、父とよく観た「モーセの十戒」の映画を何かあるごとに思い出す。モーセの十戒とは、旧約聖書に出てくるモーセの律法である。
私のブログの記事は、人や人間関係の話が多い。
それは、私の人生の永遠のテーマが「人格者」だからである。
以前にも紹介したが、幼少期に経験した人間関係、見つめ直すことができたロンドン時代、そしてその時に出会ったアルジェリアの友人からの影響が大きい。
ロンドンに留学中、同じような年の学校の友人に「Do you believe in God?」「What religion?」よく聞かれた。そのたびに「I'm Buddist.」と答えるのには抵抗があった。なぜなら、彼らが信じる宗教を理解しているように私は仏教を知らないからだ。
They are very religious. 彼らはとても信仰深い。恥ずかしくて言えなかった。
そして、私は新約聖書を読んでみた。彼らが信じる宗教ってなんなのか。
あ、全部はムリね笑
「ルカ」「コリントの信徒への手紙」など。とくにお気に入りなのは、
『コリントの信徒への手紙13章
愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。』
語学学校は半年程でやめた。
活きた英語を身に付けられるなら仕事はなんでもよかった。そして老人ホームで働き始めた。
そこはJewishたちの老人ホームであった。ユダヤ人。
正統派は、もみ上げを伸ばし黒い服をきて黒いハットを被る。または小さな黒いキッパを頭にのせる。 ユダヤ教についていろいろ知ることができた。
ここでの生活はとても楽しかった。一気にお祖父ちゃんとお祖母ちゃんがたくさん出来た感じで孫のように可愛がってもらった。
1人とても可愛がってくれたお祖父ちゃんが、私を恋人のように慕ってくれた(笑)
でも歯がなくて、このお祖父ちゃんのブリティッシュイングリッシュを理解するのには手間取ったなぁ!でもいつも英国紳士だった。これで相当英語力が身についたと思う笑
ある朝出勤したら、スタッフがバタバタしていた。なんと、 90代のお祖父ちゃんが、90代のおばぁちゃんを夜這いしたと。朝起こしに行ったら二人で裸で寝てたと!
杖で歩いてる二人が。コケージョンだなー!!文化の差かなー。バイタリティかな。
でもね、ナチスによる人種差別の話を聞くと、背負ってるものが私の想像を遥かに超えすぎていて、何も言えなかった。日本人の私が、迫害はあったのだと感じることの意味。ドイツと日本。戦争は終わっていないというのはそういうことなのかな。
せっかく仲良くなったおばあちゃん、次の日も話したいなと探していると、今朝亡くなったよと言われた。人との出会いを改めて感じた。
アルジェリアの友人との出会いは、そんな生活の中で迎えた私の21歳の誕生日。
友人が私をKnightsbridgeの素敵なレストランへ連れて行ってくれた。
そこでマネージャーを務めていたのがアルジェリア系イギリス人。
イギリスでの成人のお祝いは、現在18歳になったが、伝統であった21歳の誕生日も盛大にお祝いする節目なんだそうだ。それを知ってそのマネージャーが誕生日プレートを用意してくれ、スタッフとお客さんで盛り上げてくれた。Close後も私たちは、自分たちのことや国のことを語り明かした。
アルジェリアはイスラム教徒の国である。その友人を通してアルジェリア人、モロッコ人、チュニジア人みんな親切であたたかくてとても謙虚だった。その頃すでに過激派によるテロが徐々に始まっていた。その度にイスラム教徒を誤解しないでほしいと言っていた。
アルジェリアの友人に会ってから、彼らを理解するためにコーランを読んだ。コーランは正直衝撃的だった。あまりにも具体的に毎日の生活についてふれていて正直理解できなかった。 私がコーランを一度読んだくらいでは、彼らの慈悲深さは語れない、語るべきものではないと思った。
日本に戻り、私は仏教について調べた。お釈迦さまの教えとは、
「四諦(したい)」「八正道(はっしょうどう)」「四苦八苦」「因果応報」「諸行無常」「自業自得」こういう言葉に込められていると思う。
諸行は無常である。だからこそ一日一日を精一杯生きて進化していきたい。
人格者とは、と考えはじめたのはこのころからである。
人格者になりたいなんておこがましくてさすがに言えないけれど、死ぬまでに、少しでもほんの少しでもそんな人に近づいていたらと思う。
特に何を始めるわけでもない。人の道というものを考えて生きるだけ。でもそれはとてもむずかしい。
I just want to live in peace.
身も心も幸せでいたいね